気持ちを緩めずに。

2021年7月2日(金)

あっという間に7月になりました。6月21日にスタートした三田キャンパスでのワクチン接種は、順調にすすんでいます。予約サイトによると、7月1日現在、31,400人が予約を済ませているとのこと。ネット上の書き込みを見るかぎり、手続きをはじめ、全体の流れはとても効率的に整備されているようです(ぼくは、まだこれから)。慶應義塾「新型コロナウイルス感染症対策本部」のアナウンスにもあるように、ワクチン接種は任意なので、一人ひとりの判断を尊重しましょう。
春学期の開始時に「オンキャンパス」指定だった科目の一部は、ふたたび教室で開講されています。ぼくも、およそ2か月ぶりに教室で学生たちに会うことができました。学期中に、たびたび開講形態が変更されることになり、もろもろの調整は必要だったのですが、やはりキャンパスで学生や同僚たちの(リアルな)姿を見かけるのはいいものです。とりわけ、梅雨晴れのなか、緑あふれるキャンパスを歩くと気分が和みます。

でも、ここで気を緩めてはいけない。ワクチン接種がはじまっていることと相まって、リラックスしすぎているように見えるのがとても気がかりです。特設ゲートからの入構、マスクの着用、飲食のときの注意など。引き続き、感染予防のための一連のルールを守ることが求められています。また、検査で陽性が確認された場合には、保健管理センターへの報告が必要です。その後もやりとりがあるはずなので、責任をもって対応してください。
残念ながら、苦言を呈すべきことも報告されています。いまの窮屈さにガマンできないのか、身勝手で品性に欠けることをする学生もいます。飲酒をともなう集まりで、大騒ぎをする。ひどいケースになると、飲み過ぎて病院に緊急搬送され、治療にあたる医療従事者のみなさんに対しても乱暴な態度でふるまう。これは、あまりにも恥ずかしいことです。
すでに体験してきたとおり、結局のところ、日々のおこないの結果が、ぼくたちに還ってきます。お互いを見守りながら、もうしばらくガマンです。

いっぽう、つくづく思うのは、誰かと出会い、ともに語らう時間がないと、ぼくたちの「キャンパスライフ」は成り立たないということです。あたらしいつながりを育むきっかけはさまざまですが、なかでも「研究会」は重要な役割を果たします。共通する研究テーマや方法をとおして教員や学生と出会う。そのことが、学生生活に広がりをもたらすことはまちがいありません。とくに1、2年生は「研究会」のことを知る機会や方法を求めているのではないかと思います。
「研究会」を知る手がかりとなる「研究会シラバス」は、7月中旬の公開を目指して準備がすすんでいます。「研究会シラバス」が公開されたら、じっくりと目をとおしてください(履修条件等について記載されているはずです)。個別に説明会が企画されていることもあるので、担当教員や所属メンバーに連絡してみるとよいでしょう。

そして、これからの数週間は、学期末の課題提出で、とくに忙しくなることが予想されます。昨年も、それが話題になっていたのを思い出しました。記録を辿ってみると、去年の6月末、慶應義塾大学学生相談室がまとめた『オンライン授業についての困りごと:教職員のみなさまへ』という資料が回覧されました。去年のいまごろは、ちょうどオンライン授業がはじまって2か月が経ったころで、学生たちの「困りごと」について声をまとめたものです。
あらためて、この資料を読み返してみました。この1年間の体験をとおして解消された問題もあると思いつつ、おそらく「課題の量が多く、いつも締め切りに追われていて気が休まらない」という状況が、ふたたび訪れているのではないかと想像しています。教員側の配慮も必要なのですが、課題の内容や提出期限にかかわる告知については、じゅうぶんに注意しましょう。いつでも、通知が届くとはかぎりません。また、状況に応じて変更・修正が加わることもあります。SOL(授業支援システム)はもとより、塾生サイト、メールなどはマメに確認してください。
課題のことでプレッシャーを感じると、つい自分のことばかり考えて他者への配慮を忘れてしまったり、自暴自棄になったり。一人で抱え込むことなく、誰かに相談してみると気持ちが楽になります。(課題のことにかぎらず、「SFCウェルネスセンター」では「学生相談」に対応しています。)

さて、明日は七夕祭です。天気が心配ですが、無事に花火が打ち上がるのでしょうか。画面越しであっても、しばし課題のことなど忘れて、みんなで夏空を見上げてみましょう。(多少は)爽やかな気分になって、春学期の残り数週間に向き合うことができるはずです。気持ちを緩めずに。