3年

[50] 2023年3月20日(月)

(2月20日〜3月19日)毎年恒例の展覧会「フィールドワーク展」は今回が19回目。設営から撤収まで、無事に終了。多くの人に足をはこんでいただいた。そしてついにΗヴィレッジが竣工。共用棟の食堂もオープンした。日に日に春らしくなってきて、いよいよあたらしい学期がはじまるという雰囲気に。

2月20日(月)
2月21日(火)
  • 会議の事前打ち合わせ(120分, オンライン)
2月22日(水)
  • 会議(60分, 対面)
2月23日(木・祝)〜26日(日)

月曜日からの搬入・設営を経て、19回目の展覧会がはじまった。


2023年2月26日(日):フィールドワーク展最終日(渋谷・ギャラリー ルデコ)

2月24日(金)
  • 会議(60分, 対面)
  • 会議(120分, 対面)
2月27日(月)

2月28日(火)
  • 会議(120分くらい, 議事進行, オンライン)
  • 会議(90分, オンライン)
  • 会議(合同教員会議)(120分, オンライン)
  • 定年退職者送別懇親会(90分くらい, 対面)

3月1日(水)
  • 会議(60分, オンライン)
  • 会議(60分, オンライン)
  • 会議(90分, 対面)
  • 会議(90分, オンライン)
3月2日(木)
  • 動画(大学院PR)撮影(120分, 対面)
  • 学生との面談(1)(40分くらい, 対面)* 2023年春学期の「研究会」履修にかかかる面談
  • 学生との面談(2)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(3)(40分くらい, 対面)
3月3日(金)
  • 会議(90分, オンライン)
  • 会議(90分, オンライン)
3月6日(月)
  • 学生との面談(4)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(5)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(6)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(7)(40分くらい, 対面)
3月7日(火)
  • 学生との面談(8)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(9)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(10)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(11)(40分くらい, 対面)
3月9日(木)
  • 打ち合わせ(60分, オンライン)
3月10日(金)
  • 会議(30分, オンライン)
3月14日(火)
  • Ηヴィレッジ(おかしら日記)を公開
  • 会議(60分, ハイブリッド)
  • 学生との面談(12)(50分くらい, 対面)
  • 学生との面談(13)(40分くらい, オンライン)
3月15日(水

Ηヴィレッジの食堂が営業開始。

  • 開店(マンスリー)を公開
  • 会議(60分, オンライン)
  • 会議(90分, オンライン)
  • 学生との面談(14)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(15)(40分くらい, 対面)
  • 学生との面談(16)(40分くらい, 対面)
3月16日(木)
  • 会議(60分, オンライン)
  • 学生との面談(17)(50分くらい, 対面)
  • 会議(120分, 対面)
  • 会議(120分, オンライン)
  • 学生との面談(18)(50分くらい, 対面)
3月17日(金)
  • カレーキャラバンの誕生日(2012→2023)12年目に。
  • 学生との面談(19)(50分くらい, オンライン)
  • 学生との面談(20)(30分くらい, オンライン)
  • 学生との面談(21)(50分くらい, オンライン)
  • 会議(30分, オンライン)
  • 会議(120分, オンライン)
3月19日(日)
  • 3月19日の東京都の陽性者数にかんする報告件数:549

(いまここ)

  • ひと月」(2020年3月4日〜4月15日)
  • ふた月」(4月16日〜5月15日)
  • 3か月」(5月16日〜6月19日)
  • 4か月」(6月20日〜7月18日)
  • 5か月」(7月19日〜8月18日)
  • 半年」(8月19日〜9月18日)
  • 7か月」(9月19日〜10月18日)
  • 8か月」(10月19日〜11月18日)
  • 9か月」(11月19日〜12月18日)
  • 10か月」(12月19日〜2021年1月18日)
  • 11か月」(1月19日〜2月18日)
  • 12か月」(2月19日〜3月18日)
  • 2年目へ」(3月19日〜4月18日)
  • 14か月」(4月19日〜5月18日)
  • 15か月」(5月19日〜6月18日)
  • 16か月」(6月19日〜7月18日)
  • 17か月」(7月19日〜8月18日)
  • 18か月」(8月19日〜9月18日)
  • 19か月」(9月19日〜10月18日)
  • 20か月」(10月19日〜11月19日)
  • 21か月」(11月20日〜12月19日)
  • 22か月」(12月20日〜2022年1月19日)
  • 23か月」(1月20日〜2月19日)
  • 2年」(2月20日〜3月19日)
  • 25か月」(3月20日〜4月19日)
  • 26か月」(4月20日〜5月19日)
  • 27か月」(5月20日〜6月19日)
  • 28か月」(6月20日〜7月19日)
  • 29か月」(7月20日〜8月20日)
  • 30か月」(8月21日〜9月19日)
  • 31か月」(9月20日〜10月19日)
  • 32か月」(10月20日〜11月19日)
  • 33か月」(11月20日〜12月19日)
  • 34か月」(12月20日〜2023年1月19日)
  • 35か月」(1月20日〜2月19日)

(つづく)

イラスト:https://chojugiga.com/

開店

2023年3月15日(水)

2月のふり返りも、きちんと書けない(書かない)まま3月も半ばになってしまった。やはり、2月は短かいのだ(他の月と、わずか数日しか変わらないはずなのに)。学期末の採点が終わると、すぐに展覧会の準備に負われた。年度のまとめに開いている成果報告のための展覧会「フィールドワーク展」は、今年で19回目。
続けばいいとは思っていたが、実際にこんなに続くことはあまり想像していなかった。そもそも、20年近く展覧会を続けるということ自体は、初めてのことだ。同じことのくり返しのようだが、やはり、毎回ちがう。
展示は、その内容もさることながら、準備をする過程が大切だ。ずっと対面での活動が制限されていたこともあって、準備にかかわる負担や段取りの難しさなどを、身体的に理解している学生は、ほぼいなくなった。これまでは、展示づくりに必要なふるまいが、ことばによらない形で緩やかに継承されきたが、それは途絶えてしまったようだ。だから、一人ひとりが初めての体験として展示づくりにかかわった。4日間の展示は無事に終わり、再会の場面もたくさん生まれた。
次回は、記念すべき20回目になる。これまでの軌跡をふり返りながら、「節目」となる展覧会を開きたいと思う。会期中に卒業生たちと話していて、面白そうな企画も浮上した。新学期がはじまったら、いつも以上に時間をかけて、展示について考えてみるのがよさそうだ。

そして、2月27日(展覧会の撤収を終えた翌日)、Ηヴィレッジの竣工式がおこなわれた。ここ数年は、寮のことにいろいろとかかわってきたので、素直にうれしい。感動である。居住棟の呼称については、ターメリックだけでなく、クミンやコリアンダー、クローブなども入れたかったが、それだと、あまりにもカレーが過ぎる(最終的に、他の3棟はバジル、ローズマリー、パプリカになった)。これまでの経過については、きちんとまとめておかなければと思う
「おかしら日記」の記事に書いたばかりだが、いよいよΗヴィレッジへの入居がはじまる。日に日に春めいてきて、桜の開花宣言もあった。もうすぐ、賑やかな雰囲気になるはずだ。
キャンパスの北側の区画は、整地されていたものの、ずっと木々に隠されていた。Ηヴィレッジへの「入り口」になるのが、共用棟(ソルト)だ(つまり、寮生から見れば、キャンパスへの「入り口」になる)。上手いたとえかどうかわからないが、いわば町家のような感じで、間口として見えている共用棟の雰囲気から、居住棟へと南北にのびているスケール感は想像しづらい。航空写真を見ると、(たとえば体育館とくらべてみて)かなり大きいことがわかる。

3月15日には、共用棟の食堂がオープンした。(年末年始やお盆の時期を除く)月曜日から日曜日、寮生たちは、この食堂で朝食・夕食を食べることになる。共用のキッチンで自炊もできるが、食事がついているのはよろこばしいことだ。
食環境の改善は、ウチのキャンパスにとって、ずいぶん長いあいだ続いている課題だ。ぼくは、ここ数年、Ηヴィレッジの計画にかかわってきた。寮生たちの食環境について考えているなかで、寮生以外の学生、教職員の利用も検討していただけることになった。いろいろな議論を経て、共用棟は寮の建物でありながら、寮生どうしの共用のみならず、キャンパス全体とつながる場所として性格づけられていった。ソルトは、キャンパスと学生寮が緩やかに混ざり合って、きっと面白い場所になる。

その共用棟の食堂がオープンするというので、同僚たちと「一番乗り」を企てた。ささやかな企画ではあるが、じゅうぶんに楽しかった。開店のちょっと前に集合して、予定どおり?「一番乗り」を果たした。定食にも惹かれたが、「カレーキャラバン」(COVID-19の影響でまだ休眠中)のいちメンバーとして、やはりここは「一番カレー」を食べておいたほうがいいだろう。窓に近いボックスシートで、カレー(360円)を食べた。「おうちのカレー」という感じのポークカレーは、上品な味。あの真っ赤なやつではなく、茶色い福神漬けが、存在感を主張せずにのせられていた。
さすがに11:00の「一番乗り」だったので(ランチにはまだ早い)、がらんとしていたが、30分ほどすると、同僚たちがやって来た。なんか、この雰囲気はいい。お昼どきにここに来れば、誰かに会える。そんな場所になりそうだ。もちろん、この時期にキャンパスにいるのは大部分が教職員(そして大学院生か)なので、この平穏なランチタイムは、4月になるとどうなるのかわからない。ここで、たくさんの会話が生まれるといい。

たまたま事務室に居合わせたことがきっかけになって、晩ごはんも食べることになった。朝・夕は寮生のみの利用になるので、ぼくたちが食堂を使うのはランチにかぎられている。役得で、寮生たちにどのような食事が提供されるのか、試食に参加できることになった。ピカピカの厨房で準備された料理をトレイに載せて、テーブルを囲んだ。

写真は3月15日。ソルトのキッチン。

Hヴィレッジ

2023年3月14日(火)

SOURCE: Hヴィレッジ|政策・メディア研究科委員長 加藤 文俊 | 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)

留学が決まって、どこで暮らすか、あれこれと調べはじめた。といっても、30年以上も前のことだ。ウェブで検索するわけにもいかず、入学が認められたという通知とともに届いた書類だけが手がかりだ。郵送されてきたパッケージには、キャンパス界隈のガイドや学生寮の案内も入っていた。
結局のところ、キャンパスから歩いて数分のところに部屋を借りることにした。大学専用の寮ではなく、近所にあるいくつかの大学の学生や短期で研究者が滞在できる「国際学生寮」のような施設だ。海の向こうだから、事前に内覧などできない。いまなら、動画や口コミの情報とともに物件を検討できるのだが、簡単なしおりと間取り図、料金表だけで賃貸契約をすすめた。

船便で送り出した荷物が届くまでは、スーツケースひとつだ。手続きは思いのほか簡単で、到着してフロントで名前を告げると、すぐに鍵を渡された記憶がある。
ドアを開けると、廊下は薄暗かった。いわゆるユニット式で、10戸の個室が共用の洗面所・バス・シャワーを取り囲むように配置されていた。奥には共用のキッチンとダイニングのスペースがある。さらにドアを開ける。個室は、狭い。シングルベッドと備え付けのデスクで、床がほとんど埋まるくらいだ。北向きの部屋で、大きな窓の外には高い建物もなく、遠くまで見渡すことができた。狭くても、ここが「わが家」だ。ちいさな部屋のベッドに腰を下ろした。アメリカでの生活がはじまる興奮を味わいながらも、心細かった。ずいぶん遠くまで来てしまった。

最初の学期は、とにかくどうしていいのかわからないことばかりだ。おおかたのことは、大学から送られてきた書類の「おすすめ」を参考にしながら決めた。晩ごはんは、ひとまず「ミールプラン」に申し込んだ。あらかじめ定額を支払っておくと、キャンパスにあるいくつかのカフェテリアで食事ができるというものだ。つまりは「食べ放題」なのだが、しばらく利用しているうちに、単純なローテーションでメニューがくり返されることに気づいた。当然、出汁の旨みは期待できず、おおむねケチャップ味のようだ。
なにより、いかにも運動選手というような厳つい学生たちのなかで食事をするのは、なんだか落ち着かない。「食べ放題」はよいのだが、当然のことながら食べる量がちがう。何度もビュッフェとテーブルを行き来して、ものすごいボリュームをたいらげている学生たちの分を肩代わりしているような気分になった。

学期がはじまると、毎日は規則的になった。テキストや論文をたくさん読まなければならず、平日だけではなく土日も机に向かうことが多かった。「わが家」は、狭くてちょっと窮屈だったので図書館で過ごした。キャンパスから数分のところに暮らすのは、勉強するのにちょうどいい。というより、勉強以外にやることがない。図書館は遅くまで開いていたので、晩ごはんを食べてから、もう一度、図書館に足をはこぶこともあった。行けば、たいていクラスメイトの留学生が勉強していた。

留学中の経験は、いまでも身体がおぼえている。それは、数十年経っても、ぼく自身が大学やキャンパスを考えるときの緩やかな指針になっている。日本がバブル景気で盛り上がっていたころ(それは、ちょうどSFCが開設されたころだ)、その興奮とは遠く離れた場所で、いろいろなことを考えていた。思えば、ちょっと窮屈で単調だったかもしれないが、キャンパスの近所で「暮らしながら学ぶ、学びながら暮らす」という日々を送ることができたのは幸運だった。多くのことを知り、たくさんの人と出会った。長きにわたる関係も生まれた。

2019年の春ごろから、「ウエスト街区学生寮計画(仮称)」にかかわることになった。かかわるといっても、大学が主導のプロジェクトで、すでに方向づけられているものだ。設計や施工、さらに運営については、それぞれの専門や技術をもった部署や組織が分け持つ。ぼく自身は、湘南藤沢キャンパスの教員という立場で、一連の計画が具体的にかたどられてゆくのにつき合った。ずっと、留学していたころの日常を思い出しながら、ウチのキャンパスの学生生活について考えていた。あれから、立場や年格好はずいぶん変わってしまったが、ぼくは、キャンパスという場所が好きなのだとあらためて思った。やがて、「仮称」も消えて「Ηヴィレッジ」(イータヴィレッジ)になった。

2023年2月27日、Ηヴィレッジの竣工式がおこなわれた。春を感じさせる晴天だった。ぼくは、幸いなことに、「おかしら」の一人としてΗヴィレッジの竣工に立ち会うことができたが、ふり返れば、キャンパスの北側の一画が整地されたのはずいぶん前のことだ。さまざまな事情で計画は変わり、おまけにこの数年はCOVID-19に翻弄される日々だった。この日を迎えるまでに、ご尽力いただいたかたがたには、心からお礼を申しあげたい。多くのひとの、キャンパスへの想いが結実した。少し落ち着いたころに、内覧や報告の場を設けたいと計画している。
間際まで、仕上げに向けて現場が慌ただしく動いているのを近くで見ていた。不遜なようだが、間に合うのだろうかと心配な気持ちにもなった。ついに、出来上がった。周回道路を横切って、Hヴィレッジの共用棟に向かう横断歩道は「H VILL」の文字をあしらっている。神事を終えて、ピカピカの寮のなかを見学した。個室や共用スペースには家具が置かれ、学生たちがやって来るのを待っている。いまはがらんとしているが、数週間もすれば、賑やかになるはずだ。

まずは、スーツケースひとつでだいじょうぶだろう。一人ひとりの期待や不安は、この「ヴィレッジ」とともに、キャンパスの歴史をつくってゆく。いよいよ、「あたらしい日常」がはじまる。