梅雨明け

2020年8月2日(日)

ようやく梅雨明け。あたらしい月に変わったとたんに、夏らしい青空になった。気づけば、春学期の授業はすべて終わり。ちょっとひと息である。いつもの学期なら、フィールドワークに出かけたりカレーキャラバンの活動があったり、あるいは、ふつうに通勤で運転しているだけでも、少しは日に焼ける。カメラの具合かもしれないが、オンライン会議や授業で見るじぶんの顔が、(この時分にしては)なんだか白くて、ちょっと気になる。

7月のはじめに、七夕祭があった。バーチャルなキャンパスに、およそ7000人が集ったらしい。そのときのようすは、「おかしら日記」に書いた。ぼくたちの知らないところで、イベントの準備をしていた学生たちへの敬意を表しながら書いたつもりだったが、あらためて読み返してみると、ぼくたちの身体について語っていたのだということに気づいた。
ぼくが纏っていたアバターは、誰にも気づかれることのない“ゴースト”になっていた。それが象徴的で、いまは地に足がつかない状況なのだ(というより、足がないのかもしれない)。『ゴースト』(もう30年前の映画だ)に描かれていたように、すぐ目の前に見えているのに、触れたくても触れられない。バーチャルキャンパスを動き回る身体は、彷徨う。👻

昨年の花火は、(ちょうど選挙が終わったところで)変化の訪れを実感しながら眺めた。さらに遡って、2011年のことが頭をよぎる。あの年は、大変だった。学期のスタートが遅れ、変則的な学事日程になって、日曜日も授業のために出かけた。それでも、出席率は高かったように思う。あの夏の花火は、心をしめつけた。今年は、画面のなかで“ゴースト”のまま花火を見上げていた。

オンライン授業は、最初は不安もあったが、徐々に慣れてきて、なんとか終えることができた。献身的な同僚たちのおかげで、オンライン開講のためのサポートは充実していたし、アンケート調査を見るかぎり好意的な回答が多い。結論からいうと、学生も教員も、今学期は(それなりに)がんばったのだと思う。やはりウチのキャンパスの教員たちの多くは、大変なときにこそ、その状況を乗り越えようとするのだろうか。

リドリー・スコット(ピンと来る人は多いと思うけど、『エイリアン』『ブレードランナー』『ブラック・レイン』などの監督)らがすすめている『Life in a Day』というプロジェクトがある。あらかじめ決められた日に撮影された映像を、世界中から集めて編集する、参加型のドキュメンタリー映画だ。調べていたら、前回からちょうど10年が経ち、2020年のバージョンは、7月25日(土)が撮影日だという。この手の試みはたくさんあるが、一人ひとりが出し合う映像を束ねることによって、「ある一日」の記録ができる。こういうのは、好きだ。
そこで、「研究会(ゼミ)」のメンバーに声をかけて、7月25日に「あなたにとって、大切なモノ・コトはなんですか」という問いにこたえる映像を撮ってもらうことにした。誰が、どのように編集するかを決めないまま(伝えないまま)その日をむかえ、晩には、ぼくの分をふくめて25本のビデオクリップが集まった。つくづく、スマホのおかげだと思う。ひと昔前だったら、事前の計画など、かなりの手間暇がかかる。
やることはいろいろあるが、早めにまとめておいたほうがいいと思って、ひさしぶりにビデオ編集。といっても、見ていて飽きない程度の尺におさまるように、25人分のビデオを切って並べて。みんな、無事に学期末の「ある一日」を過ごしていた。穏やかであり、同時に、少しずつ動きはじめていることも感じられた。「あれ、ぼくってこんなに学生たちのこと好きだっけ?」とじぶんを疑うほどに、みんなに会いたくなった。

 


7月最後の金曜日は、会議があった。ぼくが、議事進行の役目だ。オンラインの「会議室」にいながら、ウェブで資料を眺めつつ、同時にSlackでもやりとりする。80数名が出席している会議なので、全体を追うのはなかなか面倒だ。Slackというのは、いわばインカム(インターカム)のようなもので、「人数の確認OKです」「そろそろこの話題は切り上げよう」「いくつかの議題は次回でもいいよね」などと、事務担当や補佐をお願いしている同僚たちと、絶え間なくやりとりをしながら進行する。ちょっとモタつく場面があって、もちろん、そのようすは、ビデオを介してみなさんに晒されていた。
七夕祭の裏側で、バーチャルキャンパスの実装に勤しんでいた学生たちは、熱気につつまれ、強力な一体感のなかで作業をすすめていたにちがいない。会議を一時中断して、みなさんをお待たせしながらSlackでやりとりしていたぼくたちにも、確実に熱気と一体感はあった。そして、それ以上の焦燥感(汗)も。予定していた時間を40分以上オーバーして、(なんとか無事に)会議が終わった。

なんとなく、最近は映画やテレビなど映像的な記憶が呼び起こされることが多い気がする。数か月、平たいディスプレイばかりを眺めているからだろうか。地に足のつかない、“ゴースト”のような暮らしが続いているからだろうか。今月は、(気をつけながら)太陽を浴びたい。

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写真は7月30日。梅雨明け前のキャンパス。

花火

2020年7月21日(火)*1

アバターを準備することができなかった。ぼくは、あの無味乾燥なロボットを纏って、大階段の前に立っていた。どうやら参加者が一定数を越えると、"ゴースト"になってしまうようだ。不自由なく動けるが、こうしてぼくがキャンパスにいることに、誰も気づいてくれないのだろうか。
まずは、まっすぐ階段を上ってすすみ、メインステージを眺めた。それからぐるっとひととおりキャンパスを巡る。なかなかいい感じだ。"ゴースト"なのは残念だが、徐々に気分が上がってきた。きょうは、年に一度の七夕祭なのだ。

通算で6年くらい(もっと長いだろうか)、学生生活委員会(SL委員会)のメンバーとして仕事をした。じつは、その役目から眺める七夕祭は、楽しいことばかりではない。実行委員会の学生たちと、準備の段階からあれこれとやりとりする。全体の構成、安全・衛生対策、キャンパスの利用、出展者への連絡などなど。学生たちが主体となってすべてを計画し、実行しなければならない。準備の遅れ、段取りの甘さ、連絡の不行き届き。いつものように、ハプニングは続出する。もちろん対立する必要はないのだが、ちょっとばかり注意をしたくなる。ときには、厳しいことばをかける。だが結局のところ、教職員は学生たちを見守り、支えようとする。教室にかぎることなく、キャンパス全体を使って、いろいろなことを学ぶ。そんな空気が、ここには流れている。
七夕祭の晩、学生生活委員会のメンバーは、いくつかの班に分かれてキャンパスの巡回をおこなう。模擬店の火器の扱いはだいじょうぶか、不審なモノが置き去りにされていないか。大学の教員が、そんな「夜回り」の仕事までするのかと、家族には苦笑される。だが、腕章をつけて、懐中電灯を片手に撤収間近の七夕祭を歩くのも、悪くない。
アナウンスがあると、いそいそと片づけがはじまる。花火が打ち上がる前に、撤収をすすめるのだ。ぼくたちも、無事に片づけがはじまっていることを確かめてから、花火を待つ。準備から当日にいたるまでの苦労は、花火とともに散る。それは、「終わり」の合図だ。

まだしばらく時間がある。ぼくは、教室に入ってみた。なかには見慣れた机が並び、窓の外には短冊が提がった七夕飾りが見える。なるほど、よくできている。教室に入ったとたんに、アイコンが頭上に表示されて、"ゴースト"ではなくなった。ちいさなアイコンが頭上に表示されるだけで、じぶんの身体を取り戻すことができたような、不思議な感覚をおぼえる。これで、気づいてもらえる。
教室にいた新入生たちと、少しことばを交わした。ここでは音声で会話できるはずだったが、上手くいかず、テキストでやりとりした。アバターどうしなら、もっと近づいてもよさそうなのに、バーチャルな教室のなかでも、ぼくたちはお互いの距離を意識しながら立っていた。
「先生たちは、ふだんはどこにいるんですか」と聞かれた。そんな「常識」とも呼べそうなことを質問されて、ちょっと戸惑いもあったが、多くの新入生にとって、このキャンパスを身体で理解するのは難しいことなのだ。一つひとつの授業はオンラインで成り立っているが、そもそも、みんなでキャンパスを共有している感覚はない。入学してから、キャンパスを歩き回るのが初めてに近い状況なのだから、建物の配置や構造などから紹介する必要があることに、あらためて気づいた。
いま、通学時間や昼休み、放課後を過ごすといった体験がそぎ落とされている。ふだんなら、キャンパスを歩いていれば、誰かに出くわすこともある。ちょっと立ち話をする。授業のこと、キャンパスのことなど、学生生活を豊かにする知恵や工夫は、友だちとの雑談やおしゃべりのなかで身についてゆく。いまは、誰かと出会うことさえ、ままならないのだ。

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花火の時間が近づいてきたので、おしゃべりを切り上げて、部屋を出た。いつも、鴨池を臨む場所が人気だ。すでに、たくさんのアバターたちが集まっていた。花火が上がる直前、ほんの一瞬だけ、みんなが息を合わせているかのように静かになる。ほどなく、BGMとともに花火が打ち上がった。これは、たしかに花火だ。夜をつつむ空気も、人びとの息づかいも、背中を流れる汗も、あるはずの感覚が足りない。でも、今年もキャンパスで花火を眺めることができた。
前のほうに、法被を着た実行委員会のメンバーらしき姿が見えた。労いのことばでもかけようかと思ったが、ぼくはふたたび"ゴースト"になっていた。頭上で乾いた音が響く。ぼくは、誰にも気づかれることなく、夏の夜空を見上げていた。

4か月

[12] 2020年7月18日(土)

(6月20日〜7月18日)あっという間に学期末をむかえ、ドタバタとしている。今学期の記録にと思って書きはじめた「コロナと大学」は、最初のころにくらべてペースダウン。一か月ほど空いてしまった。まだ最終報告や採点などの仕事が残されているが、ようやく「終わり」が見えてきた。いろいろと考えさせられることが多く、一段落したらまとめて書くつもりだ。
引き続き、備忘をかねて記録しておこう。「ひと月」(3月4日〜4月15日)、「ふた月」(4月16日〜5月15日)、「3か月」(5月16日〜6月19日)を経て、もう4か月である*1

6月20日(土)
6月22日(月)

企画だけしていながら、しばらく動きだせていなかった「オンライン授業にかんするオンラインインタビュー」のプロジェクトをスタート。今学期担当している講義科目の受講者に案内を出して、反応があった(+日程調整が上手くいった)学生と、1対1で15分ほどおしゃべりする。その音声ファイルは”Keep Calm and Stay Online”というラジオ番組のように仕立てて公開。協力してくれたお礼には、特製「ハッピーターン(SFC30)」をプレゼント。*2

  • 学生との面談(オンライン授業にかんするオンラインインタビュー)(15分×4)

Keep Calm and Stay Online(7月18日現在:進行中)

6月23日(火)
  • 学生との面談(45分)
  • 研究会(180分)

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6月24日(水)
  • 学生との面談(オンライン授業にかんするオンラインインタビュー)(15分×2)

そして、オンライン会議(×3)

  • その1(120分, 議事進行)
  • その2(120分)
  • その3(120分)
6月25日(木)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院生とのミーティング(120分)
  • 打ち合わせ(60分)
  • 学生との面談(45分×2)
6月26日(金)
  • 会議(60分)
  • 大学院生とのミーティング(90分)
  • 会議(60分)
  • 会議(60分)
  • 会議(60分)
6月28日(日)

近所のレストランで、ひさしぶり(およそ3か月ぶり)の外食。完全予約制のレストラン。けっきょく他に客は現れず。

  • 東京都の新規患者にかんする報告件数:60
6月29日(月)
  • オンライン面談(60分)
  • 学生との面談(45分)
6月30日(火)

2020年度教育・研究活動を維持するための基本方針、および、特別研究プロジェクト等夏季休業期間における教育活動の指針 が発出される。SFCは「レベル3」のまま。
「研究会」では、「卒プロ2」(今学期で卒業予定)の最終報告。まずは、お疲れさまでした!きょうは、大学から配信。

  • 学生との面談(45分)
  • 学生との面談(45分)
  • 研究会(180分)

https://www.instagram.com/p/CCDSJMKDl1r/🌧きょうの「研究会」は、大学から配信。ひとりは、つまらない。雨が激しくなってきた。 #vanotica20s #stayonline

7月1日(水)

今学期は、予定していたフィールドワークをすべて中止。オンラインでインタビューをおこなうプロジェクトをすすめてきた。タイムラインの考察などもすすめていく予定。それぞれの場所。一人ひとりの暮らしについて。「ちょっと窮屈な毎日」のサイトを公開。

  • ちょっと窮屈な毎日(It's a bit tight) https://fieldwork.online/20s/
  • 大学院セミナー
  • 会議(120分)
  • 会議(60分)
  • 大学院レビュー(150分くらい)
7月2日(木)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 打ち合わせ(60分)
  • 大学院AP:モバイルメソッド(90分)

https://www.instagram.com/p/CCIacPjjWQS/☀️きょうの「モバイル・メソッド」は、軽井沢から(うそです)配信。よく晴れました。 #mm20s

7月3日(金)
  • イベント(マンスリー)を公開
  • おしゃべり(80分くらい)

ひょんなことから「三宅島大学」への問い合わせがあり、三宅島でゲストハウスを営む伊藤さんとZOOMでおしゃべり(初対面)。話が盛り上がって、あれこれと妄想する。

7月4日(土)

オンラインで七夕祭。なかなか、よかった!
(このときのようすは、「おかしら日記」に書くつもり → 7/21公開予定)

f:id:who-me:20200704193450j:plain2020年7月4日(土)|じつは、ワイン飲みながらバーチャルキャンパスにいた。

7月7日(火)

朝は、打ち合わせのため三田キャンパスへ。検温してから会議室に入り、マスクをして距離を空けて座る。午後はオンライン。

  • 打ち合わせ(60分くらい)
  • 研究会(180分)
  • 会議(90分くらい)
7月8日(水)

そして会議日。

  • その1(60分)
  • その2(120分, 議事進行)
  • その3(120分)
  • その4(120分)
7月9日(木)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院生とのミーティング(120分)
7月10日(金)

「100+20人の東京」展へ。クルマでギャラリーに行った。カレーキャラバンのパネルも展示されていて、いよいよ、動き出したい気分になる。

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ギャラリーA4(http://www.a-quad.jp/

  • 東京都の新規患者にかんする報告件数:243
7月12日(日)

4年生が取り組んでいる「卒プロ」の実践を体験。予定どおり、朝、“Yoko Eats”が届いた。箱を開けると、食材と調味料とレシピ。レシピどおりに調理をして、お昼は「定食」を。なかなか楽しかった。ちょっと、カレーキャラバンのことを思い出す感じ。

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7月14日(火)

きょうはおべんとうを持って大学へ。やはり職場までのドライブは、大切だと思う。

  • 研究会(180分)
7月15日(水)

午前中はお墓参り。

  • 大学院レビュー(150分くらい)
7月16日(木)

きょうも、大学から配信。「フィールドワーク法」「モバイルメソッド」は、今学期最終回。あっという間だった。

  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院AP:モバイルメソッド(90分)
7月17日(金)
  • 学生との面談(オンライン授業にかんするオンラインインタビュー)(15分×3)
  • 打ち合わせ(60分)
  • 学生との面談(オンライン授業にかんするオンラインインタビュー)(15分×3)
  • 会議(90分くらい)
  • 東京都の新規患者にかんする報告件数:293
7月18日(土)
  • 学生との面談(オンライン授業にかんするオンラインインタビュー)(15分×3)
  • 会議(60分)
  • (いまここ)

(つづく)

イラスト:https://chojugiga.com/

*1:必要に応じて、適宜加筆・修正します

*2:じつは、4月の中ごろには、同僚ともおなじようにおしゃべりをする時間を設けていたが、授業がはじまって予想以上に忙しくなり、休眠状態に。

イベント

2020年7月3日(金)

そして7月。梅雨時だというのに、外の天気があまり気にならない。そう、外に行く予定がほとんどないからだ。規模はともかく、いわゆる「イベント」がない。淡々と、時間が流れてゆく。起伏のない、規則的な毎日だからかもしれない。
そんななか「あたらしい生活様式」「あたらしい日常」などということばが飛び交うようになり、少しばかり違和感をおぼえながら過ごしている。ちょうど、この春学期は、研究会(ゼミ)で「チャラ」という関係のあり方について考えている。もちろんぼくも、「あたらしい(ナントカ)」という言い方をする。これからが大切だということはいうまでもない。だが、「あたらしい」を使うと、これまでのことを置き去りするような感覚になるのだ。この数か月が「チャラ」になるはずもないのに。

この時期、多くのセミナーや学会は、オンラインでおこなわれることになった。ここ数年、同僚の諏訪さん、東工大の藤井さんとともに人工知能学会で「臨床の知」というオーガナイズドセッションにかかわってきた。3年目の今年も、発表することが決まっていた。大会のプログラムを確認すると、セッションは第一部が朝の9時から、第二部が15時半からとなっている。本来であれば前日に熊本に行き、大会に参加していたはずだが、自室にいるまま、画面越しに学会に参加することになった。じつはこの日は、授業も大学院生とのミーティングもある。偶然にも第一部と二部とのあいだに予定されていたので、休講もキャンセルもなく、すべての予定をこなすことができた。
不思議な体験ではあった。学会に出てから授業とミーティングを経て、ふたたび学会へ。これは、オンラインでなければ実現しなかった。同じ部屋で同じイスに腰かけたまま、頭を切り替えるのは、なかなか難しかった。「イベント」を実感するには、やはり移動が必要なのだろうか。

いつも学期中には2回ほど、「キャンプ」と呼んでいるフィールドワークのプロジェクトを実施している。学生たちと、宿泊をともなうかたちで全国のまちに出かけて、まちの調査をおこなうものだ。もともとは、熊本で開催される学会につなげるかたちで「キャンプ」を企画していた。つまり、学会を終えてからそのまま熊本に残り、学生たちと合流して、その週末はフィールドワークをおこなう計画だった。
けっきょく、今学期に予定していた「キャンプ」は中止せざるをえなくなった。15年くらい続けてきた「キャンプ」は、天候が理由で延期(中止)になったことが数回あったが、新型コロナウイルスのせいで、動きを止められてしまった。
47都道府県を踏査するという計画で、あと8府県というところまできていた(地域別インデックス → https://camp.yaboten.net/entry/area_index)。いままでどおりのペースで、あと2年もすれば「コンプリート」を達成できる見込みだったが、もう少し先になりそうだ(ところで、『キャンプ論』は、出版してから10年経って2刷が出た。もともと爆発的に売れるような本ではないが、細々と手にしてもらっているのだろう。ゆっくり続けることの大切さも書かれているので、ちょうどいいのかもしれない)。

今学期は、試しにオンラインで「キャンプ」を実施することにした。これは、フィールドワークやインタビューなど(の調査)を、家にいながら実施できるかという、興味ぶかい問いに直結している。誰かの暮らしに近づき、その「日常」に直接触れながら知ろうとすることの価値を、もういちど問いなおすことになる。
学生たちはペアになって、オンラインのインタビューを試みた。ふだんは合宿しながら短期集中で成果を出すやり方だが、今回は一定の期間を設けて、その間にインタビューの相手も、日時も調整し、オンラインでのやりとりをもとに文章を綴った(ちょっと窮屈な毎日 → https://fieldwork.online/20s/)。一人ひとりの〈ものがたり〉こそが、ぼくたちの「日常」を考えるのに役立つ。なるほど、同じ部屋で同じイスに腰かけたままでも、世界と接点をもつことができる。そう思った。

6月の末、およそ3か月ぶりに外食をした。妻の誕生日を祝うために、近所のレストランを予約した。完全予約制になっているし、さまざまな対策を講じているようだったので、出かけることに。「おうち」の食事に身体がなじんでいたからだろうか。つぎつぎと刺激物をとり込んでいるような感じがした。結局、他に客は姿を見せず、貸し切り状態。ひさしぶりの「イベント」だった。マスク越しに、夜風を吸い込んだ。

f:id:who-me:20200630162502j:plain写真は6月30日。ひさしぶりのキャンパス。

3か月

[11] 2020年6月19日(金)

(5月16日〜6月19日)引き続き、備忘をかねて記録しておこう。「ひと月」(3月4日〜4月15日)、「ふた月」(4月16日〜5月15日)を経て、3か月である*1。オンラインの会議や授業にも慣れてきて、学期も折り返し。季節の変わり目ということもあって、学生も教員も、ちょっと疲れ気味のようだ。こうやって書き出してみると、会議や授業、面談などで“オンライン“状態で過ごす時間がずいぶんある。思っていた以上に、人と接する仕事(いまの役目か)なのだということに、あらためて気づく。

5月16日(土)
  • 学生との面談(45分×3)
5月18日(月)
  • 授業・学期前半科目:リフレクティブデザイン(180分)
  • 学生との面談(45分)
  • 打ち合わせ(120分)
5月19日(火)
  • オンライン(おかしら日記)を公開
  • 学生との面談(45分)
  • 打ち合わせ(120分)
  • 研究会(180分)
5月20日(水)

またしても、会議の日。オンライン会議(×4)。この日のことは、ブログ(時間を出し合う)に書いた。けっきょく、ちょっと近所に出かけただけで、ずっと家で過ごした。「余白」がそぎ落とされ、思っていた以上に規則的(で単調)な毎日がくり返されている。

  • その1(60分)
  • その2(60分)
  • その3(60分)
  • その4(60分)
  • 加藤研のウェブマガジン(第41号)発行。今期のテーマは「うち」 exploring the power of place

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5月21日(木)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院AP:モバイルメソッド(90分)
  • 学生との面談(45分×2)
5月22日(金)
  • 会議(60分)
  • 会議(60分)
  • 大学院生とのミーティング(90分)
  • 東京都の新規患者にかんする報告件数:3人
5月25日(月)
  • 緊急事態宣言解除
  • 授業・学期前半科目:リフレクティブデザイン(180分)

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5月26日(火)
  • 研究会(180分)
  • 「ステップ1」へ:図書館や博物館など文化施設を再開、飲食店の営業時間は22時まで。
5月27日(水)

会議+大学院の授業。大学に行かなくても、このスケジュールで一日を過ごすと、ぐったりする。とくに、議事進行は疲れる。

  • その1(120分)
  • その2(120分, 議事進行)
  • その3(120分)
  • 大学院レビュー(120分くらい)
5月28日(木)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院生とのミーティング(120分)
5月29日(金)
  • 会議(60分)
5月30日(土)
  • 学生との面談(45分)
  • 学会誌刊行(120分)

お声がけいただいて、『デザイン学研究』に寄稿した。その刊行のお祝い+反省会(+オンライン飲み会)。ぼくとしては、これが2度目の「オンライン飲み会」。なかなか楽しかった!気づけば、もう6月はすぐそこ。
==
加藤文俊(2020)デザインというかかわり『デザイン学研究』(特集号 社会実践のデザイン学) Vol. 27-2, pp. 42-47.
==

https://www.instagram.com/p/CAzxIykjmKm/🍷きょうは、オンライン飲み会してる。 #stayonline

6月1日(月)

6月になった。緊急事態宣言が解除され、そろそろ“Stay at home”から、想いは「外」へ。本棚を隠していたスクリーンを印刷しなおして、衣替え。

  • 授業・学期前半科目:リフレクティブデザイン(180分)
  • 衣替え(マンスリー)を公開
  • 「ステップ2」へ:映画館やスポーツジム、学習塾の再開などに対象を拡大。

https://www.instagram.com/p/CA4Ws_aDLSh/衣替え。#junehasarrived #koromogae

6月2日(火)

打ち合わせのため、三田キャンパスへ。検温してから会議室に入り、マスクをして距離を空けて座る。ひさしぶりに、家族以外の人と“リアルな”対面。事務的な集まりなのに、とても新鮮な感じ。

  • 打ち合わせ(60分くらい)
  • 研究会(180分)
  • 学生との面談(45分)
  • 東京アラート発動。
6月3日(水)

大学院セミナー(ブラックウェンズデー)+会議。8日以降の活動制限について臨時の会議を開いて、BCPの見直し。

  • 学内施設の段階的な使用開始について今後の段階的施設利用についての情報が追記される。
  • 打ち合わせ(60分)
  • 大学院セミナー+ブラックウェンズデー(80分くらい)
  • その1(60分)
  • その2(60分, 議事進行)
6月4日(木)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院AP:モバイルメソッド(90分)
  • 学生との面談(45分×2)
6月5日(金)
6月8日(月)
  • 授業・学期前半科目:リフレクティブデザイン(180分)
  • 学生との面談(45分×2)
6月9日(火)
  • 研究会(180分)
6月10日(水)

水曜日は、相変わらずこんな感じ。

  • その1(60分)
  • その2(180分)
  • その3(60分)
  • その4(120分)
6月11日(木)

九州北部・関東甲信・北陸・東北南部の)梅雨入りが発表される(平年より3日遅い)。
人工知能学会(JASAI)の研究発表大会。本来であれば熊本に行き、発表をおこなってからそのまま週末にかけて熊本に逗留する予定だった。学会がオンライン開催になったおかげで、授業を休講にすることなく行き来した。移動は瞬時で済むものの、モードの切り替えがなかなか難しい。
オーガナイズドセッション「臨床の知:厚い記述がもたらす知」は3年目。今回は、学生たちと以下の報告をおこなった。
==
◎森部 綾子・加藤 文俊 [3C1-OS-23a-04] 「被災写真洗浄ラボ」のデザインと実践
◎笹川 陽子・染谷 めい・坂本 彩夏・加藤 文俊 [3C5-OS-23b-03] 「余白」に気付く感性を醸成する
==

  • 学会のセッション [3C1-OS-23a-04](100分)
  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院生とのミーティング(90分)
  • 学会のセッション [3C5-OS-23b-03](100分)
  • セッションの反省会(オンライン飲み会)(120分くらい)
6月12日(金)
  • 会議(90分くらい)
  • 「卒プロ2」進捗報告(映像作品の視聴+講評)(90分くらい)
  • 時間を出し合う(コロナと大学)を公開。
  • 東京アラート解除。「ステップ3」に移行。
6月15日(月)

学期の前半科目が(無事に)終わったので、月曜日は少し時間に余裕ができた(はず)。

6月16日(火)

午前中は、急用のため会議を欠席。

  • 研究会(180分)
6月17日(水)

会議日。急遽、面談の予定が入ってしまい、「その2」と「その3」は欠席。

  • その1(120分)
  • その2(60分)
  • その3(60分)
  • その4(90分)
  • その5(60分)
  • 大学院レビュー(120分くらい)
6月18日(木)

ひさしぶりに大学へ。5月の中旬に、本や書類を取りにキャンパスに行ってから、早くも1か月。きょうは、研究室から授業を配信することにした。この7週間、家からの配信は何の問題もなかったのに、なぜかきょうは途中で回線の状態が悪くなって音声とビデオが途切れてしまった。授業のあとで、郵便物の整理。(放置されていた)「請求書」が数枚。

  • 授業:フィールドワーク法(90分)
  • 大学院AP:モバイルメソッド(90分)

https://www.instagram.com/p/CBku-daD5uD/【2020年6月18日(木)|カモはどこへ?】

6月19日(金)
  • 会議(90分)
  • (いまここ:事実上、全面解除。

(つづく)

イラスト:https://chojugiga.com/

*1:必要に応じて、適宜加筆・修正します