いまさら新年度

2022年4月25日(月)

月初めに書いている「マンスリー」なのだが、3週間(以上)遅れてしまった。このままだと4月が終わってしまいそうなので、さっさと書いて、ひとまず公開しておこう(日々の記録は「10年メモ」もあるし)。話は、3月中旬あたりから。

これまで、年度の終わりに開いてきた「フィールドワーク展」は、今回が18回目だった。昨年はオンラインで開催したので、なんとか対面で実現できることを願っていた。秋から冬にかけて陽性者数が減少していたので、そのままの流れで行けば、例年どおり2月上旬に開催できる見込みだった。だが、年末から年始にかけて、陽性者の報告件数が増加しはじめたので、準備をしながら、開催可否の判断をギリギリまで先送りすることにした。大学としてのさまざまな「課外活動」にかんする指針は、状況をふまえながら更新されるので、その動きにも目を配っておく必要がある。キャンパスの「外」に施設を借りて開催するのだから、細心の注意を払わなければならない。とくに設営や撤収のときなどは、どうしてもお互いの距離が近くなるので、心配する声も耳に入ってくる。
結局のところ、1月下旬になって延期を決めて、当初の予定より1か月ほど後ろに会期を移した。やむをえない事情ではあったが、1か月の延期は、やはりインパクトが大きかった。昨年がオンラインだったこともあって、みんながリアルな会場での開催を切望していた。そのつもりでいたためか、学生たちには、オンライン開催に切り替えるというプランBの発想はまったくなかった。とりわけ4年生は、3月の中旬ともなると就職先での研修や引っ越しなど、多忙な時期だ。すでに決まっていた予定と延期された展覧会の会期が重なっていて、設営はもとより開催中にギャラリーにいることさえままならない。4年生にかぎらず、この延期の決定によって学生たちのモチベーションは、かなり低下したはずだ。1か月の延期で間延びしてしまうことはたしかで、全体の士気もずいぶんと下がったように見えた。
とはいえ、ひとたび設営がはじまって(設営は2日間)、少しずつ会場が出来上がっていくなかで、なんとなく勢いが出てきたような、そんな感じがした。感染予防対策のため、展覧会は事前予約制にした。あらかじめ設定していた枠はそれなりに埋まって、(予約の申込数では)3日間で280人をこえた。現況下で、大っぴらに告知や宣伝するのは控えていたが、学生たちの知人や家族、また同業者たちが足をはこんでくれた。そして、卒業生たちもたくさん顔を見せてくれた。毎年おなじ時期に展覧会を開いてきたことで、卒業生たちにとって、年に一度の「再会」の場所になっていた。そもそも、対面の機会があるだけでもうれしい。無事を確認しつつ、またこんどゆっくり話そうと約束した。撤収を済ませて、ようやく学期が終わった気持ちになった。

それから、あっという間に時間が過ぎた。暖かい日が続いて、桜が咲きはじめた。大学院の学位授与式は、いろいろな制限はあったが、日吉キャンパスで。修了するみなさんのリアルな姿を見ることができた。

渋谷の公園通りギャラリーで開催されていた「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」という展覧会に出かけた。7、8年前に、ひょんなことから、神戸で活動しているみなさんと知り合った。つかず離れずという距離感ではあるものの、年初は聖地である和田岬に出かけている(今年も、日帰りでひさしぶりに行ってきた)。
その「おかん」のみなさんが、渋谷のギャラリーにやって来るというので、会いに行くことにした。ギャラリーの奥にある控え室で、みなさんと一緒にテイクアウトしたビリヤニを食べて談笑。パワーは健在。午後の新幹線で帰るというので、それまでの数時間、東京を案内する役になった。最初は、高いビルのてっぺんから渋谷のまちを見下ろすという提案をしたが、「高いところは…」となって、ボツ。
そこで、プランBは「お花見」。肌寒い日だったが、みなさんと一緒に千鳥ヶ淵まで出かけた。ぼくも、九段下に行くのは数年ぶり。多くの人で賑わっていた。いまどきは、もう誰でもスマホなのだ。みなさん、お堀に浮かぶボート、遠くに見える東京タワー、なによりちょうど見ごろの桜を撮って、嬉しそう。桜をバックに記念写真を撮った。

そうこうしているうちに4月。今学期からは、多くの授業が対面に戻り、キャンパスは活気に満ちている。オンラインと対面が入り交じりになって、ひさしぶりのスピード感やリズムにちょっと翻弄されながら過ごしている。そのせいもあって、3週間遅れでこの雑文を書くことになった(後半、一挙に雑になった…)。

はい、無事に春学期をむかえています。(いまさらですが)今年度もよろしくお願いします。😷

写真は4月5日:学生たちが戻ってきた。