TさんとWさんと私

TさんとWさんと私(総集編)

(2021年7月31日)2019年10月1日〜2021年7月31日まで、TさんとWさんとともに歩みました。最初に書いたのが2019年9月末、その後しばらくは定期的に書いてたのですが、だんだんペースが落ちてしまいました。COVID-19の影響もあってか、とくに2020年秋以降はほとんど書くことがありませんでした。
だからこそ、ぼくにとっては、思い出ぶかい22か月でした(そのうちの16か月は、ほぼすべてがオンラインのコミュニケーションに)。

(2021年9月30日追記)…と思っていたら、じつはシリーズは終わっていませんでした。その後もオープンキャンパスや会議でこの3人が一緒になる場面があったので、やはり24か月。いろいろあったけど、ふり返ってみると、このメンツで仕事をすることができたのは本当によかった。面白かった。
こうやって並べてみると、2020年の秋から今年の夏にかけて記事がありません(ちょっとしたつぶやきなのに)。これ、いろいろドタバタしていたんだろうなぁと、この「空白」から思い出しています。

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2021年9月29日

Tさんは、NY出張から戻って隔離生活のあいだに体重が増えたらしい。Wさんは、いつもの黒い感じで赤い花束がやけに似合う。あっという間の2年間だった。何をしていたのか、何ができたのか。無念に思うこともあるが、たくさん働いたと思う。感謝をこめて。

2021年8月26日

オンライン・オープンキャンパスの配信。T研には「モットー」、W研には「鉄則」が。ちがうことば・やり方だが、自身の想いでまっすぐに学生たちと向き合う姿勢はおなじに見えた。支え合い、拘束し合いながら絶妙なバランスを保っている不思議なヴィレッジ。

2021年7月31日

シリーズ最終回。念のため。TさんとWさんを揶揄ったり面白がったりするつもりはなく、「3役」で責任ある仕事をすることの難しさに直面しながらのため息であり、同時にじぶんの無力感を自嘲するつぶやきでした。22か月間、本当にありがとうございました。🙇🏻

2021年7月29日

地鎮祭に参加した。いよいよ、着工である。神事の席次は、Tさん、Wさん、そして私という順だった。この組み合わせは、もう終わってしまうのか。あっという間の22か月。少しだけ感傷的になっていたら、「えい、えい、えい!」と、鍬入れの儀がはじまった。
https://www.instagram.com/p/CR5Zg1PDMSG/

2021年7月22日

炎天下、汗だくになってキャンパスを案内する。Tさんはすでに「向こう側」の雰囲気を漂わせ、Wさんは少し晴れ晴れとした感じの清々しさを放っている。ぼくは、気づいたら置き去りにされていたような心もちで、阿蘇から来たばかりの合鴨の群れを眺めていた。

2021年7月1日

昨日はチョーひさしぶりに、全員が3階にいた。ドアを開けていたので、TさんもWさんもちらっと顔をのぞかせる。歩いて数歩でお互いの顔を見ることができて、ことばを交わす。それだけで済むこと、決まることが、たくさんある(あった)のに。それが惜しい。

2020年11月6日

\SFC創設30年記念企画/ メディアセンターのオープンエリアで写真や資料を展示中。「写真で振り返る湘南藤沢キャンパスの30年」のひとコマ。これ、すでに去年の夏か…。まぁいろいろと、大変なのである(あった)。 
https://www.instagram.com/p/CHPBIR4DZJW/

2020年10月5日

刊行されたばかりの『三田評論』10月号(No. 1248)は、特集「SFC創設30年」。座談会や関連記事、卒業生の寄稿「SFCとわたし」など盛りだくさん。写真のページには、オープンキャンパスのイケてるTさんとWさん、そしてマスクして首からタオルの私。 
https://www.instagram.com/p/CF80CC7jXOv/

2020年9月24日

新入生へのビデオメッセージ。Tさんはスライドを繰りながら、静かにキャンパスの魅力を語る。Wさんは演説館で格式高く、『福翁自伝』を引きながらやさしく言葉をかける。自撮り棒をもって、歩きながら撮ったのは、ぼくだけだった。カメラは止まらないのだ。

2020年9月10日

毎週のことだったのに、まるで偶然のように思えた日。3人揃って、キャンパスにいる。ただそれだけ。ほぼ半年ぶり。新入生向けのキャンパスツアーで、猛暑のなかを歩く。キャンパスで、学生たちと対面する。あたりまえのことなのに、とても幸運だと思えた日。

2020年6月30日

ひさしぶり。Tさんは、どんなに難しくてもなんとかトスを上げようとする。Wさんは、ブロックなど気にせずスパイクを打つ(フェイントはあまりしない)。ぼくは、サーブを打つこともできず、でもひたすら拾おうと飛び込むリベロが好き(佐野選手みたいな)。

2020年4月7日

緊急事態宣言が近い。Tさんは静かに語りかけ、誠実に言葉の大切さを説く。Wさんはいきなり「家にいろ」と叫び、サーバーが落ちる。ぼくは、この日々をブログに綴っておこうと思い、まずはドメインを取った。二人のメッセージで、気分が晴れた。朝が来たよ。

2020年3月15日

いろいろなメールが届く。Tさんは、まっすぐに応える。醸し出される厳しさは、巧みな演出かもしれない。Wさんはうっかり優しさがにじみ出て、丁寧な対応になる。ぼくは、ようすを見ながら曖昧に。きちんと聞いておいて、スルーしたり(忘れてしまったり)。

2020年1月18日

べつにいいけど。昨年の秋、Tさんの部屋には胡蝶蘭や祝電がたくさん並んでいた。華やかだ。Wさんのところは、卒業生が30名くらい集まってお祝いの会が開かれていた。賑やかだ。そしてぼくは、みぞれのような雨のなかを歩いている。襟を立ててね。寒いょ。

2019年12月26日

Tさんは、電車のほうが多いのかな。でも、クルマは堅実な感じのセダンだった(ように見えた)。Wさんは、車高が低くて路面を感じながら「走り」を楽しむようなクルマ(速い)。ぼくのクルマは、いかにも草食系で、遠くまで出かけるラクダみたいな(遅め)。

2020年12月2日

師走になった。Tさんは、がんがん仕事をして、疲れたらきちんと休んでいるはずだ。Wさんは、ムリせず疲れすぎないように体調管理を怠らない。ぼくは、疲れが出る前につぎの仕事をはじめてしまうので、じつは、疲れているのかわからない。マッサージに行こ。

2019年11月18日

議事進行を担う場面が増えた。Tさんは、はきはきとテンポよくすすめる。Wさんは、ちょっと不慣れだけど初々しい感じが好感を呼んでいるみたいだ。ぼくは、丁寧に説明しているつもりが、つい言い訳がましくなって、気づくと「住民説明会」みたいになってる。

2019年11月8日

Tさんは「二人にはまだ相談してないけど」と言いながらすすむ。Wさんは「みんなで決めましょう」と迫る。ぼくは「あ、言うの忘れてた」と軽くあやまって事後承諾にしてもらったり、たまに「それ聞いてないんだけど」と拗ねてぼやいたりする。ごめんなさい。

2019年10月24日

Tさんは、古いものは潔く捨てようと言う。Wさんは、あたらしさを求めようとする。ぼくは、ちょっと直せばまだ使えるんちゃうって思う。うちにこんまりが来たら、数秒で気絶しそう。留学中に買った家具、まだ使ってるから。つい30年ほど前のことだけどね。

2019年10月17日

通知が来ても、寝ているから応えられない。Tさんは標準的な時間帯で、Wさんはアーティストっぽい時間を生きる。標準的って、アーティストっぽいって、なんだ。ぼくは毎朝5時に起きて、日付が変わる前に眠くなる。身体は衰えてゆく。エイジングってなんだ。

2019年10月10日

TさんとWさんの部屋は南向きで、眺めもいい。ぼくの部屋は北向きで、ちょっと狭い。べつに、いじけてないし。それより、「応接セット」というのは堅苦しくて好きではないので、大きなテーブルとか買いに行こうかな。資料を広げていろいろ話をしよう、誰か。

2019年10月2日

きょうは、朝からずっと会議。Tさんはスーツ(ノーネクタイ)で、Wさんはいつもの黒い感じ。ぼくは、試しにシャツをズボンのなかに入れてみた。なんか中途半端だ。きっと、仕立てのいいシャツを着れば、体形は目立たなくなるんだろうな。どうでもいいけど。

2019年9月27日

Tさんは、唐突に「仲が悪い」と言い、続くWさんは「かみ合わない」と話した。ぼくは、うっかり「仲がいい」と思っていた。きっと素直じゃないのだ。照れくさいのかもしれない。別にいいけど。とにかくぼくは、あたらしい冒険のはじまりにドキドキしている。